『図と線で考える技術: デジタル時代に身につけたい「書いて考える技術」 (iPad Workers)』
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(著) 五藤晴菜
ISBN:B0G4M7QCSX
私たちは「考える」と聞くと、頭の中だけで完結する行為だと思いがちです。しかし実際には、考えることは常に身体的な行為と結びついています。ペンを持ち、線を引き、図を描き、言葉を書き出す。その一つひとつの動きが、思考を形づくるプロセスそのものです。
頭の中でいくら整理しようとしても、堂々巡りになったり、優先順位がつかなかったりするのはよくあることです。けれども、紙や画面に書き出した瞬間、思考がほどけ、次の一歩が見える。これは「書く」という行為が、思考を外に出し、再び自分に返してくれる働きを持っているからです。
本書で扱うのは、この「書きながら考える」ための技術です。その中心にあるのが、図と線です。図や線は、文章よりも速く、直感的で、曖昧さを残しながらも構造を見せてくれる表現方法です。複雑な情報を扱うとき、混乱したアイデアをほどくとき、判断に迷うとき、図と線は思考を受け止め、関係性を示し、方向性を示します。
本書では、図と線を使って考えるための基本となる四つの技術を紹介します。
分ける
つなぐ
強調する
囲む
どれもシンプルで、誰もがすぐに使えるものばかりです。それでいて、日常のさまざまな場面で思考の軸をつくり、判断の精度を上げ、アイデアを前に進める力を持っています。特別な道具やセンスは必要ありません。必要なのは、白い紙かiPad、そしてペンだけです。
書きながら考えるという行為は、思考の速度をゆるやかにし、余白を生み、考えの軌跡を残します。書いたものを後から見返すことで、自分がどう考え、どこで迷い、どこで進んだのかを把握できます。それは、自分の思考パターンを理解するための大切な手がかりにもなります。
本書が扱うのは、うまく書くための方法ではありません。書いたものをきれいに整えるためのノウハウでもありません。目的は、書くことで思考を前へ進めることです。図と線を使いながら、曖昧さを扱い、関係性を見つけ、ひらめきを引き出し、考えを深くしていく。そのための具体的な手法や考え方を、できるだけわかりやすくまとめています。
仕事での判断、企画やアイデアづくり、学びの理解、日々の整理、読書メモ、会議準備、プレゼン構成など、書く場面は数えきれません。どれも図と線を使うことで、驚くほど整理しやすくなり、思考が動き出します。
デジタルツールやAIが加速度的に進化する時代だからこそ、手を動かして考えるという基本的な力が、以前にも増して重要になっています。書くことは、思考を深めるための最も古く、最も普遍的な技術です。そしてそれは、誰もが今日から実践できる身近な方法でもあります。
図と線で考える技術を通じて、自分自身の「考える力」を取り戻し、育てていく。そのための最初の一冊として、本書が役立てば幸いです。
目次
はじめに:手を動かすことからしか、考えは始まらない
書くこととは
書くことは、思考のトレーニング
なぜタイピングではなく、手書きなのか?
学校では教えてくれなかった「考えるための書き方」
ただ写すだけのメモは思考停止を招く
書いて考える力は、「少なく書くこと」で養われる
不完全なノートが思考と記憶を深める
手続き的記憶と「体で覚える」理解の深さ
集中力ではなく、選択力の時代へ
書いて考える技術は、一生使えるスキル
きれいに書くことよりも大切なこと
【コラム】どうしてデジタルノートからアナログノートに戻ったのか?
書いて考える技術【基本編】
「分ける」技術
要素を明確に分ける
「分ける」ことで思考がスムーズに進む
「つなぐ」技術
頭の中を整理する3つの記号
書いて考える力を強化する
「強調する」技術
強調のための3つのテクニック
俯瞰して考える力を鍛える方法
「囲む」技術
3つの「囲む」方法で情報を整理
囲むことで自分の考えをより深める
【コラム】1枚の手書きメモからスタートした連載
書いて考える技術【実践編】
書き出しがスムーズになる「フォーマット思考」
読書メモのフォーマットと運用法
手書きメモの電子化手順
これまでの読書メモフォーマットは?
『いつか』を行動に変えるノート術
【コラム】ノートを開くと、やる気が動き出す
おわりに:書くことは、思考の羅針盤
#書籍名
ゲスト回BC121 五藤晴菜さんと『書いて考える技術』